日常に役立つツボ

風邪の予防

風邪の予防に効果的なツボとして
風門というものがあります。


風の門という字があらわすように
東洋医学では風邪の邪気の出入りするところと言われています。


場所は背中側、首を前に倒した時に一番出っ張る骨から
下に二つ目の背骨、第二胸椎の左右外側に指2本分行ったところにあります。


予防のためにこの部位をカイロなどを張って温めてあげるのが効果的です。
風邪をひいてしまった場合はここをうつぶせになった状態で
邪気を押し出すように指で刺激してあげるのが効果的です。


寒くなって風邪が流行ってくる時期に
マスクや予防接種などの対策も重要ですが

それらに合わせてツボを刺激して
体の自然治癒力を高めてあげるのもよいかと思います。

百会(ひゃくえ)

頭のてっぺんにあって、
百の気が会うところから百会という名前が付いた
気や血流を調整するのに効果があるツボ。


頭頂部で
身体の左右の真ん中正中線と、
両耳を結ぶ線が交わるところにある。


刺激のやり方は両手の中指を重ねて
比較的強めの力でゆっくりと
全身に芯を通すイメージで
刺激をしてあげるとよいです。


色々なタイプの頭痛、めまい、耳鳴り、のぼせ、自律神経の調整、
更年期障害など様々な症状に効果があるとされています。

攅竹(さんちく)

疲れ目やドライアイ、老眼、目のかすみ、目の痛みなど
目に効果が期待できるツボに
攅竹というものがあります。


攅(さん)は集まることで竹(ちく)は竹の杖を意味しています。
目の悪い人が使う竹の杖が集まるところなので、
目に良い効果があるところというわけです。


場所は左右の眉毛の内側の端っこに少しのくぼみがあるところです。


押し方としては人差し指で下から押し上げるように押していきます。
この時に目はつぶっていた方がよろしいかと思います。

分かりづらい方は
人差し指で少しぐりぐりと回すように押してあげてもよいと思います。

頬車(きょうしゃ)

東洋医学で歯が車のように動く下顎関節を
牙車と呼ぶことに由来して
ほほの車で頬車と名付けられました。


このツボは下あごの角から耳に向かって少し上
口を開いたときに少しへこみができるところにあります。


効果としては歯の痛み、頬や下あごのむくみ、顔の神経痛
むくみを抑えるため小顔効果が期待できます。


押し方は両側から指でツボを押さえて
同時に挟むようにして押すと良いです。

天柱(てんちゅう)

天は頭を意味して、
それを支える大切な柱で
天柱という名前が付きました。
頭部にあるツボの中でも特に重要なツボです。


場所は後頭部の髪の生え際にある太い筋肉の外側にあるくぼみのところです。


効果としては、様々なタイプの頭痛、疲れ目、鼻づまり、
肩こり、首こり、ストレス解消、自律神経の調整、
寝る前に刺激してあげることで心地よい眠りにつくことが出来る
など本当に様々な症状に効き目があります。


押し方は指で垂直方向に3秒ほど押してゆっくりと放していくといったものを
何度か繰り返してあげると良いです。

また蒸しタオルを当てて温めてあげるのも効果的です。

風池(ふうち)

このツボは天柱の外側2センチほどのところにあります。

風の池という名前があらわす通り
風門から入ってしまった風の邪気が池のように溜まるところです。


風邪をひいて熱っぽい、頭が痛い、咳が出るなどの症状のほか
肩、首の凝り、眼精疲労、自律神経の調整などに効果が期待できます。


押し方は天柱と同じように
指で垂直方向にゆっくりと押して、
ゆっくり放すを繰り返して行います。

肩井(けんせい)

肩の井戸と書いて肩井(けんせい)というツボは
肩を通るエネルギーが井戸のように湧いてくるところです。


場所は首の根元と肩の先との真ん中にあります。
肩こりを持つ人が自然と手を当てるところが肩井です。


首や肩の凝り、寝違え、頭痛、四十肩、
目の疲れなどに効果が期待できます。


押し方は中指でツボに対して垂直に押し込むように刺激します。
痛気持ちいいくらいの刺激を数回繰り返してあげると良いです。

合谷(ごうこく)

合は親指と人差し指とが合うところで、
谷は指を開いたときに谷のようなくぼみができることから
合谷と呼ばれています。


このツボは万能のツボとして有名なツボで
効果は歯痛、高血圧、頭痛、疲れ目、鼻づまり、耳鳴り、のどの痛み、花粉症、
肩こり、寝違え、四十肩、下痢、便秘、自律神経失調症、安眠、
精神不安、生理痛、など様々な症状に期待できます。


場所は手の甲側で、親指と人差し指とが合わさるところの
人差し指の骨の際にあります。


押し方は逆の手の親指で人差し指の骨に向かって
5秒ほどゆっくりと刺激をしてゆっくりと放す
これを数回繰り返してあげると良いです。

曲沢(きょくたく)

曲は曲がるところ、沢は水草の生い茂るくぼみのことを表しています。
由来する通り曲がりやすい肘の関節で、
くぼみを感じられるところにあるツボです。


手のひらを上にして肘を少し曲げると
関節の部分に横じわが走ります。
このしわの内側に硬い筋があります。
この筋の小指側の際にくぼみを感じるところが曲沢です。


肘や腕の痛み、指先の痛み、動悸や心臓の疾患などに
効果が期待できます。


押し方は親指でツボを押さえて他の指で肘を包むように支えて
ゆっくりと数回に分けて刺激を繰り返すと良いです。

天枢(てんすう)

東洋医学ではおへそから上を天、
下を地と呼んでいます。

天と地との境目にあって
かなめ、大切なという意味の枢という名前が
付いたツボが天枢です。


場所はおへそから横に親指で
2本行ったところにあります。


天枢は天と地とのエネルギーが交差するところにある重要なツボで
消化器系、胃腸の調子を整えるのに効果があります。
下痢や便秘、その他に泌尿器系、生殖器系、腰痛にも効果が期待できます。

関元(かんげん)

関元は別名丹田(たんでん)とも呼ばれ
元気の元締めとなる重要なツボです。


武術などではこの丹田に気を宿すことが重要で
いわゆるへその下、下っ腹に力を込めるというのは
このツボのことを言います。


場所はへそから真下に指4本分のところになります。
押し方は仰向けに寝て両手の指を重ね合わせて
優しく押してあげます。


効果は頻尿、下腹部の冷え、膨張感、精力減退、月経痛、月経不順
子宮筋腫、子宮内膜症など消化器系、生殖器系、泌尿器系など
様々な症状に期待できます。

命門(めいもん)

命の門という名前があらわす通り生命力の中心となるツボ。
元気が宿るところで生命力やエネルギーの根源を調整したり
丈夫にするツボです。


以前紹介した関元と共に刺激するとより効果的です。
気功ではこのツボを開いて丹田に気を集めて立つなどと言われます。


場所は背中側、第二腰椎の棘突起の下です。
おへそのちょうど真後ろになります。
腰に手を回して親指を重ねて押します。


腰痛、精力減退、子宮出血、腸出血、痔の出血、
病後の体力回復などに効果が期待できます。

志室(ししつ)

志はこころざし、意志を表すことから精気を意味して
室は部屋を指し精気を宿す部屋で志室という名前が付きました。


東洋医学では精気は腎臓との関わりが強く
腎に病があると疲れ易くて精気が弱まり
身体に元気がなくなると言われています。


場所は命門から左右外側に7~8センチ行ったところ。

押し方は腰に両手を回して親指で押すと良いです。


慢性的な疲れ、腰痛、ぎっくり腰、坐骨神経痛、
生殖器系、泌尿器系の病に効果的です。

三陰交(さんいんこう)

三陰交は脾の臓、腎の臓、肝の臓の
3つの陰の経絡が交わることから名付けられました。


場所は足の内くるぶしから上に指で四本分のところにあります。

更年期障害、月経不順、生理異常、不妊症、子宮内膜症などの婦人科疾患
糖尿病、胃炎、下腹部の張り、不快感などの消化器系疾患に効果的です。


押し方は足を組むようにして内くるぶしを天井に向けて
上から押し込むように押すと良いです。

承山(しょうざん)

足のふくらはぎにある筋肉のふくらみを山に見立てて
身体の重さを承ける(うける)ことから承山という名前が付けられたツボ。


足の疲れや、むくみを解消してスッキリさせる効果があり、
ほかにもこむら返り、膝の痛み、坐骨神経痛、腰痛、痔、便秘など
様々な症状に効果が期待できます。


場所は下腿の裏側をアキレス腱から上に向かって
なぞっていくとふくらはぎの筋肉が分かれるところに当たります。
その筋肉の分かれるところが承山となります。


押し方は膝を曲げて親指を重ねてツボに対して垂直に押します。
ほかの指を前側のスネの骨にかけてあげて押すと良いです。
痛すぎない程度の刺激をゆっくりと繰り返してあげると良いです。


一日の終わりに押してあげると
翌朝にはスッキリした脚になってくれると思います。

湧泉(ゆうせん)

体力、気力、生きるためのエネルギーが
泉のように湧き出るところから湧泉という名前が付きました。



このツボから湧き出すエネルギーが全身をめぐり
体力気力を生んで身体の活力の源となります。


場所は足の裏中央土踏まずの上の方で
足の指を曲げたときにできるくぼみにあります。


体調を整えて、活力を生むツボなので
高血圧、冷えとのぼせ、不眠、腎臓疾患、喘息、白髪、
生理痛、あしの疲れなど様々な症状に効果が期待できます。


押し方は親指で割と強めの力で3秒ほど押して放してを
繰り返し足が温まるように刺激してあげると良いです。

足三里(あしさんり)

松尾芭蕉の奥の細道にも出てきた有名なツボ
足三里。


足の疲れを取るのに効果的なほか
胃腸や腹部一般の痛み、冷えを取る効果が期待できます。


場所は膝のお皿の下にある外側のくぼみから
指四本ぶん下に下がったところで
骨と骨の間で、すねの骨の際にあります。


押すときは膝を軽く曲げて
すねの骨に押し付けるように押してあげると良いです。

失眠(しつみん)

失眠は中国語で不眠のこと。

夜に刺激をしてあげると寝つきが良くなり
睡眠の質が向上します。


場所は足の裏かかとのふくらみの中央にあります。

かかとは皮膚も厚く刺激に強い場所なので
ペンなどを使って強い刺激を与えてあげるのが良いと思います。


また、お風呂上りにドライヤーの熱を与えて刺激するのもよいです。

血海(けっかい)

このツボは血が海のように集まるところから
名前が付きました。



効果は膝の痛み、月経痛、子宮内膜症などの婦人科疾患
じんましん、皮膚湿疹、
血流を改善するときに使われることが多いです。


場所は膝のお皿の内側の角から指3本分上にあります。
太ももに対して垂直に指でゆっくりと押してゆっくりと放す
ことを繰り返して刺激します。

委中(いちゅう)

委中は膝の裏側で曲げたときにできる
しわの真ん中にあるツボです。

探ると血管の拍動を感じることが出来ると思います。


腰痛、坐骨神経痛、膝の痛み、
足の疲れを取るのに効果的です。


座った状態で膝を立てて
両手の親指を重ねて膝の裏に当て
他の4本の指で膝を包むようにして
刺激します。


少し痛いけれど気持ちがいい位の強さで
ゆっくりと数回に分けて刺激を繰り返すと良いです。

曲池(きょくち)

曲池は肘の外側で曲げたときにできるシワの端にあります。

軽く肘を曲げた状態で反対の手の親指で
押したときに痛みを感じるところです。



曲池は肘や腕の痛みのほかに
肩こり、下痢や便秘、お腹の痛みに効果が期待できます。


痛いけれど気持ちがいいくらいの強さで
数秒押してゆっくりと放すを数回繰り返して刺激すると良いです。

神門(しんもん)

神門というツボは手のひら側の手首を曲げたときにできるシワと
小指から手首に向かって引いた線の交わるところにあります。


神様の門という名前があらわすように
精神不安やストレス解消、不眠、味覚障害など
心を安定させる効果が期待できます。


押し方は一日に1,2分逆の手の親指でやさしく押さえると良いです。

内関(ないかん)

内関は前腕にあるツボで
ストレスからくる症状に効果が期待できます。

手のひらの側の手首のしわから
指3本分肘側に上がったところの腱の間にあります。


食欲不振、上腹部の張り感、乗り物酔い
妊娠中のつわりの軽減などの効果が期待できます。


押し方は逆の手の親指で少し痛い程度の強さで
10秒ほど押してゆっくりと放す
というものを数回繰り返してください。

外関(がいかん)

外関は手首にあるツボで、外は手の背面側を意味して
関は仕切り、かんぬきを意味して
手の外側に有って気が出入りする重要なツボです。


場所は手首を曲げたときにできる背面側のしわから
肘のほうに向かって指3本分上ったところの中央
骨と骨の間にあります。


手首の痛みや手のむくみのほか
耳鳴り、めまいなどにも効果が期待できます。

支溝(しこう)

支溝は便秘の名穴とも言われるツボで


手首を反らせたときにできる
手の甲側のシワから
肘に向かって指4本上がったところの
中央、骨と骨の間にあります。


効果は様々なタイプの便秘、胃腸障害、
めまいや耳鳴り、頭痛などです。


少し強めの力でゆっくりとした刺激を
数回繰り返してあげるのが良いです。

肺兪穴(はいゆけつ)

肺兪は第三胸椎の出っ張りの下、
脊柱から左右の外側に親指1.5本分行ったところにあります。


肺兪の兪は気を運ぶ舟を表しています。

つまり肺の気を運び、
邪気を追い出すツボという意味です。


肺の機能を調整するツボなので
せき、喘息、気管支炎、鼻炎、花粉症などの呼吸器疾患
肩の凝りのほかに
意外なところでは身体の老廃物を出すので
肌荒れにも効果が期待できます。

厥陰兪穴(けついんゆけつ)

厥陰兪穴とは手の厥陰心包経の兪穴です。


心包は実際には存在しない臓器ですが、
東洋医学では心臓を包む臓器で
心臓の病は先ず心包から攻めよ
と言われる重要な臓器です。


場所は第四第五胸椎の出っ張りの間から
左右に外側親指1.5本分行ったところにあります。


肋間神経痛、心臓神経症や背中の痛みに
効果が期待できます。

心兪穴(しんゆけつ)

心兪穴は背中の第5胸椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


心の兪穴ですので心の気が運ばれて
出入りするところになります。


心疾患や消化器系の疲れ、肋間神経痛
咳が続くときの背中の張りなどに効果が期待できます。

肝兪穴(かんゆけつ)

肝臓の気を運び出入りすところなので
肝兪という名前が付きました。


場所は背中側の第9胸椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


肝炎、脂肪肝、肝機能障害、胆石、胆嚢炎など
肝臓や胆嚢の病気のほか眼の病気にも
効果があると言われています。

胆兪穴(たんゆけつ)

胆の兪穴であることから胆兪穴と名付けられた
胆の気が運ばれて出入りするところです。


場所は背中側、第10胸椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


右側の胆兪穴は十二指腸潰瘍の圧痛点でもあるため
十二指腸の病気や胆嚢炎、胆石、肋間神経痛などに
効果が期待できます。

脾兪穴(ひゆけつ)

脾の気を運び、出入りするところなので
脾兪穴という名前が付きました。


第11胸椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


左側の脾兪穴は十二指腸潰瘍の圧痛点でもあり
胆石や胆嚢炎などでも圧痛が出ることがあります。


十二指腸や胆嚢の病気、肋間神経痛などに
効果が期待できます。

胃兪穴(いゆけつ)

胃の気が運ばれて出入りするところから
胃兪穴という名前が付きました。


背中側、第12胸椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


胃の疾患、急性胃炎、神経性の胃痛、食欲不振
など消化器系の疲れを取るのに効果が期待できます。

これから食欲の秋を迎えて食べ過ぎてしまったときに
刺激してあげると良いです。

三焦兪穴(さんしょうゆけつ)

背中側第1腰椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


三焦とは五臓六腑の六腑の一つで
実態のないものとされることもあるが
リンパ管であるとされています。


三焦兪穴は三焦の気を運び出入りするところで
胃腸障害、全身衰弱、食欲不振、消化不良、下痢などに
効果が期待できます。

腎兪穴(じんゆけつ)

腎の気を運び出入りするところから
腎兪穴と呼ばれます。


背中側の第2腰椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


睾丸、子宮、卵巣など生殖器系や
腎臓、膀胱、前立腺など泌尿器系の病気
腰痛に効果が期待できます。


腰痛のある方は腰に手を当てる格好をして
親指で背骨の前側に押し込むように
刺激すると良いです。

大腸兪穴(だいちょうゆけつ)

大腸兪穴は大腸の気を運び出入りするところ
から名前が付きました。


場所は背中側、第4腰椎の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


大腸の疾患、ダイエット、下痢、便秘、痔、
腰痛、椎間板ヘルニアなどに効果が期待できます。

小腸兪穴(しょうちょうゆけつ)

小腸兪穴は小腸の気を運び出入りするところから
名前が付きました。


場所は背中側、仙骨の真ん中の一番上の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


下痢、便秘、腹痛、糖尿などに効果が期待できます。

膀胱兪穴(ぼうこうゆけつ)

膀胱兪穴は膀胱の気を運び出入りするところから
名前が付きました。


場所は背中側、
仙骨の真ん中の上から2番目の出っ張りの下から
左右外側に親指1.5本分行ったところにあります。


膀胱疾患、排尿痛、腰痛、神経痛、
便秘などに効果が期待できます。